スピンキャストリールに興味津々 ST-10をいじる

あごひげあざらし

2010年01月17日 10:27

スピンキャストリール、というと、初心者向け・入門用のイメージが強いですよね。
そのせいか、メーカーさんでも本腰を入れているとは思えないラインナップ、っていうか、ラインナップ自体が存続の危機?みたいな。
今でも購入できるスピンキャストリールというと、大手メーカーではダイワとアブくらいしかないですもんね。

それでも、スピンキャストリールをきちんと使ってみたいなぁ、というのが管理人の本音。使い方によってはかなり可能性のあるリールじゃないかな、と思うんですよ。

ボタンを押して(カーボストライカーはレバーを握って)、ライン放出するタイミングで離すだけ。ハンドルを回せばピンが出てきて、すぐに巻き上げ可能。操作がメチャクチャ簡単で、すぐ釣りを覚えられちゃうと思うんです。
現在、管理人の手元にあるスピンキャスト系のリールというと、これ。

ダイワのアンダースピンキャストリール、カーボストライカーST-10というやつです。
正直なところ、シンプルとも安っぽいとも言えるリールですね。今のリールとは思えない(設計は今じゃないしね)ノーベアリング。
しかも、管理人のは個体差なのか、ハンドルを廻していると、抵抗の大きい場箇所と少ない箇所が。。。。。。グルグル廻すというより、グルングルンというような感じになっちゃいます。とてもじゃないけど、一定スピードでリトリーブというのは無理。
場合によっては、ルアーにトリッキーな動きを与えられるかもしれないけど、やっぱり気になります、この感じ。

とりあえず症状を軽減できるかも、ということで、中のグリスをダイワのモリブデングリスにしてみることに。
開けてみると、なんともシンプルな構造ですが、グリスもタップリはいってました。余分なグリスをふき取るだけでも結構効果があるかも。ふき取った後がこんな感じ。

さらにグリスをふき取り、ダイワモリブデングリスをギアの接触面のみに塗布します。
これだけでもかなり回転フィールが向上しました。ただ、相変わらず抵抗の大きそうな回転フィールであることは変わりませんけど。勝手にハンドルが回ってしまいそうな最新のリールとは比べるべくもありません。
でも実用にはなりそうなくらいに回復してます。グルングルンじゃなく、グルグルとハンドルを回せるようになりました。

一つ上のモデル、カーボストライカーST-20はスピニングリールなどと同じスプール逆転式ドラグが付いてますが、こちらのST-10は構造が違います。評価できるのは、やわながらも、ローター逆転式のドラグを装備していること。スプール逆転式のドラグと違い、ラインを出されてもローターが回りながらラインを送り出すので、糸ヨレは少ないです。

これでもう少しドラグワッシャーやスプリングが上質なものだったら、スピニングリールのドラグ構造よりも優れているのになぁ。
ちなみに、メインギアは亜鉛ダイキャスト、ピニオンギアは真ちゅう、メインシャフトはステンレスです。

フロントカップの中心から「ニョキッ」と出ているのが、ドラグノブにあたります。この細長いパーツの中にはスプリングが内蔵されていて、締め込むことでインナーローターを押さえてます。
とはいえ、このスプリングが細く頼りないので必然的にドラグのMAXも低くなりますし、シリコン系(?)のような素材のドラグワッシャーも直径が小さく、正直調節もほぼON/OFF程度の感じです。ここももっと工夫すれば良くなるのに。


ラインを巻き取る時は、ローターから飛び出すピックアップピンでラインを引っ掛けることで巻き上げます。ST-10にはピンが1本だけ。なので、リトリーブに移る時にピンがラインを引っ掛けるまでにタイムラグがあります。せめて、もう1本あればもっと快適になるはず。
とはいえ、スピンキャストリールも、メーカーさんがもっと本腰いれて開発したら、良くなりそうな余地はたくさんあるんですよね。

欠点を挙げればきりがないですが。スプール直径が小さいのと、ローターにオシュレーション機構がないため、スプールに巻かれるラインは後ろ寄り。ストックできる量も少なく、巻き癖もつきやすいです。
細めのラインだとピックアップピンに引っかかりにくいので、管理人は5lbのナイロンを巻きますが、4lbでも何とかなる、かなぁ。5lbなら100mくらいストックできますから、これが限界かな?いずれにしても、現在管釣りで主流の3lb以下のラインは無理でしょう。
キャストのライン放出時には、ローター・フロントカップに接触しながらラインが出て行くため、飛距離もそれほど出せません。
構造上、ドラグの絶対性能も限界があるし、巻き上げに関してもピックアップピンで引っ掛ける構造を使用している以上、あまり強くできないですね。


個人的にこんな風にしたら面白いのに!というポイントは。
まず、ローター逆転式ドラグはスグレモノなので、ドラグワッシャーの素材とノブのスプリングを見直してもっと滑らかに。これは結構簡単にできそうでしょ。ドラグMAXは今のままでもなんとかなりますからね。瞬間ドラグロックができるので。
ST-10ならレバー、スピンキャストならボタンですが、これを押すとラインがフルロックできます。主導権を握りたい時は、フルロックの力技が可能です。

ローター・フロントカップのライン接触面は、ラインへの攻撃性の低いチタンコーティングを。これもやる気になればできそう。自分では無理ですが、メーカーさんが本腰入れれば、ね。多少は飛距離も出せるようになるはず。アブではすでにやってますしね。

メインギアの両端にはせめて1つくらいベアリングを入れる。巻き心地がグッとよくなるはず。これも、なんとなく自分でできそうなんですけどね。メインギアの支持部にプラスチック製のカラーのようなものがはまってます。外せそうなんですよ、これ。おそらく、外径11mm(12?)×内径7mm×厚み2.5mmくらいのベアリングが入れられそう。まあ、外せれば、の話ですが。こちらもアブはすでにやってますけどね。

ピックアップピンの数を増設。これはメーカーさんじゃないと無理か。ピンももう少し太い方がライン接触抵抗が減りそう。難しいかもしれないけど、スピニングのラインローラー位の太さは欲しいかな。現在の直径2mm程度のセラミック(?)ピン1本ではちょっと頼りないですから。現在主流は2本のピンです。アブは2本ですね。ダイワの他のモデルは多分、1本です。

ローターにはオシュレーション機能が欲しいところ。ローターが前後に動けば、ST-10の欠点、スプールへの後ろ巻きも解消されるでしょう。もっとも、ラインロック時にローターを前に出して抑える構造なので、オシュレーション機能を入れるとしたら大改造になりそうですけどね。
これでST-10やST-20の軽量コンパクトな持ち味が消えてしまうなら、なくてもいいか。

なんにしても、現状を見直して今の技術を活かせば、魅力的なリールになると思うんですよ。これならすぐ扱えるので、釣りの裾野を広げるためにも良いことだと思うんですけど。特にキャスト&リトリーブが重要なルアーフィッシングの入り口を広げるためにはね。
いきなりベイトリールじゃ、ルアーをリトリーブする前にキャストに苦しむし、スピニングもラインを指で拾うことやベールを返すなんていう作業が小さな子供には難しいです。そういう意味では、スピンキャストのボタンを押して離すだけ、という簡単さが魅力ですよね。

メーカーさん、ひとつお考えを!

現在手に入るスピンキャストリールの中で、管理人が一番気になっているのがこちら。

ある意味、最新のスピンキャストリール、イスズ ピッキーノ。結構本気で作った感じのリールです。上のコンボモデルは、専用ロッドも付属します。ガングリップロッドではないけど、リール自体が低く抑えてあるので扱いやすそうです。
ドラグはダブルドラグ!プリセットでローター逆転、レバードラグでスプール逆転かな?ちょっとわかりませんが。ドラグワッシャーには良いものが使用されているみたいです。

デザイン・カラーがポップで、子供向けの印象が強いですが、女性には受けるかも。もちろん、大人の男性が持っていても(カラーさえ選べば)違和感はないはず!
ロッドとのコンボモデルで¥8925という価格も良心的です。

リール単体なら¥6510とさらにお安く!

カーボストライカーST-20

ST-10の兄貴分、ST-20です。こちらのドラグはスプール逆転ですね。そのほかの構造は同じでしょう。
残念ながらST-10は現在取り扱いがありません。
定価¥3255のところ、¥2600 20%割引

ダイワ(Daiwa)スピンキャストST-20

アンダースピンではないのがスピンキャストSTシリーズ。サイズはカーボストライカーST-20と同じですね。重心が高いので、ガングリップタイプのハンドルが使いやすいです。
定価¥5565のところ、¥3980 28%割引

アブガルシア(Abu Garcia)Abumatic 1276SLi

スピンキャストを作り続けるアブの最新モデル。ラインの接触面にはチタンコーティングされてます。今一番高性能なスピンキャストのひとつでしょう。トラウトにはちょっと大きすぎるけど、バスにはちょうどいいくらいの大きさです。
¥9240

アブガルシア(Abu Garcia)Abumatic 276i

こちらは弟分の276i。ベアリングが減らされ、サイズも少しコンパクトになっているみたいです。重量で30g軽くなってます。
¥6930

この他にも海外ではゼブコなどからもリリースされてます。基本、お子様用とかエントリーモデルの扱いですが、探せば結構種類が出てます。
最新のスピニングなどと比べると見劣りしてしまうのは確かですが、比較的安く入手できるのでカスタムするのも面白そうですよね。


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