アブマチック取り扱い開始!クローズドフェイスリール!

あごひげあざらし

2018年10月26日 14:02


ナチュラムさんでアブガルシアのクローズドフェイスリール、アブマチックの取り扱いが始まりましたね。しかも正規取り扱い店としてはナチュラムさんだけだそうです。

アメリカ・ヨーロッパでは今も一定の人気のあるクローズドフェイスリール(スピンキャストリール)。なので機種も多く販売されてますが、日本での人気はイマイチですね。それなりにメリットがあるリールなんですが、「初心者向け」のイメージが強過ぎるのかもしれません。
確かにスピニングリールやベイトリールに比べると、操作が簡単で初心者が使用しても釣りになってしまうので確かに初心者向きではあります。性能の限界は高くないのでトーナメントシーンにはとても使えませんし、繊細さが要求される釣りにも実はあまり合わなかったりもします。
でもオールドタックル(新品購入できますが)らしい、のんびりした釣りにはよく似合うと思うんですよね。

と前置きが長くなりそうなので、先へ進みます。

アブガルシア(Abu Garcia) アブマチック170

1970年代に登場したアブマチック170。とはいえそのままではなく数度のマイナーチェンジを経て現在に至ります。こちらはおそらくアブマチック170Ⅱに当たるモデルだと思います。現行モデルとして海外で販売されてるアブマチックですね。エンジンカバーのようなパーツが特徴です。ただ左サイドにアブのエンブレムが付いているモデルもあるんですが、こちらは違うようですね.いくつかバージョンがあるのかも。

クローズドフェイスリールの名前の通り、スプールや巻き上げ機構をすべて覆う鉄仮面のようなカバー付き。リールで言うところの顔に当たる部分を収納(クローズド)しちゃってるからクローズドフェイスリールなわけですね。

基本的な操作はとても簡単。リール後部のあるボタンがクラッチです。キャストするときはラインの垂らしがちょうど良いところでボタンを押します。押したままロッドを振り上げ、振り下ろすタイミングでボタンから指を離します。リグが着水したらハンドルを巻いてラインを巻き取る。
スピニングのようにラインのピックアップも不要ですし、ベイトリールのようなサミングも不要。手にしたのその日から使えてしまうほど操作が簡単なんですね。だから初心者にもオススメできるわけです。

構造上、ライントラブルも起きにくく、巻き上げ機構にも複雑なものがないので壊れにくいです。壊れやすい部分はすべてカバーの中ですし。比較的ラフに扱いがちなお子さんに預けても安心といえば安心ですね。

とはいえ、弱点もあります。ピックアップピンでラインを拾う構造になってますが、ラインテンションが緩いとスプール内でピョン吉が発生します。そうなるとクローズドのデメリットでかなり症状が悪化するまで気が付きにくいです。ハンドルが回らないくらいのトラブルになって初めて気が付くわけですね。また構造上ラインのヨレは発生しにくいはずですが、ラインテンションが緩いとヨレも発生。Wパンチです。しっかりテンションをかけて巻き取るという基本を疎かにしてはいけないという点はシビアですね。

ピックアップピンでラインを拾うわけですが、あまり細いラインだと拾いきれないこともあります。現代の細くて強いラインがなかったころのリールですからね。購入時から巻いてあるラインも4号クラス。トライレーンの4号というと、ルアー用ラインでは16lbクラスくらいの太さです。細くてもせいぜい8lbクラスまでといったところでしょう。

ギア比も構造上あまり高くできません。初期のアブマチック170だとギア比3.14:1でした。現行モデルでも3.9:1とローギア比。ギア比5.0:1前後のスピニングリールから持ち替えるとあまりの遅さに驚くでしょう。渓流のアップストリームキャストはほぼ無理な感じです。魚がヒットしてからも走られてしまうとなかなか寄せられません。1匹とのやり取りを楽しむ、なんて言い方をすると格好いいですが、結構必死で巻いてるんですよね。

ライントラブル・メカニカルトラブルを減らしてくれるフロントカバーですが、これがライン放出の際に接触抵抗となるので飛距離を落としてしまいます。ロングキャストが必要なシーンでは使いにくいですね。

そういったネガティブもひっくるめて、往年の味を新品リールで楽しめるのがアブマチック170といえますね。
このアブマチック170、現代のリールとはちょっと異なる操作も必要です。それがドラグです。このアブマチック170のドラグはシンクロドラグと呼ばれるものが搭載されてますよ。いかにもマニュアルな感じのドラグなんです。
これ、巻き取り方向にハンドルを回している限り、ドラグはほぼフルロックです。ドラグはオートマチックに効くことはありません。自分でドラグを効かせるタイミングを決めるんですね。ドラグを効かせたい時はハンドルを逆方向に約90度(1/4回転)させるんです。そうするとあらかじめ設定した強さでドラグが掛かりますよ。これがシンクロドラグ。マニュアルでしょ?
ただ、現行のアブマチック170には通常のドラグも採用されている、という話。スタードラグノブで調節できるそうです。ただし、ここを緩め過ぎるとハンドルをいくら巻いても巻き取れない状態になってしまいます。元々巻き上げパワーの弱いリールなのでこのドラグを緩める意味はあまりないと思います。スタードラグはほぼほぼフルロックでいった方が使いやすいと思いますよ。

ボディはおそらく鉄?往年のモデルは確か320g程度だったと記憶してますが、こちらのアブマチック170は354gとのことなので。鉄から樹脂に素材変更してさらに重くなる、ということはないと思いますから。
なんにしても肩肘張らずにの~んびり魚と戯れる、そんな枯れた(?)釣りにぴったりでしょう。アラフィフには沁みるリールです。
¥7560(税込)

アブガルシア(Abu Garcia) アブマチックSX

アブマチック170の弟分に当たるアブマチックSXはボディも一回り小さくなります。というか系統が異なるモデルで、ある意味廉価版といえますね。構造も微妙に違いますし。本国ではもっとグレードの高いモデルもあるようですよ。

こちらのドラグはシンクロドラグではなく、スピニングリールに近いものですね。フロントカップ下にあるダイヤルで調整します。こちらは設定した強さを超えるとラインが引き出されていくドラグです。シンクロドラグのようにマニュアルな感じではありませんよ。より初心者向きの設計です。

ピックアップピンは1本です。キャスト後にラインを拾うタイミングがちょっとダルくなりますね。のんびりしてて良い、ともいえます。
ハンドルは共回り式で左右付け替えも可能ですよ。右巻き専用の170とは違いますね。

ダウンサイジングされたことで重量は238gと軽量になってます。使用するラインも6lbクラスもぎりぎり使用できるでしょう。デフォで巻いてあるのは3号(約12lb)ラインですけどね。トラブルを極力減らしたいなら8lbクラスまでが安心でしょう。

手の小さいお子さんや初心者の女性にも扱いやすいサイズだと思います。初めての1匹を釣らせてあげたい、そんなシーンにピッタリですね。
¥5260(税込)
アブのクローズドフェイスリールはグリスがたっぷり入っていることが多いそうです。新品時に巻きが重いなぁ、と思ったらグリスを少しふき取ると改善することが多いですよ。開けるのが嫌な人はある程度使い込んでグリスを飛ばしてください。巻きが軽くなるはずです。

管理人の手元にあるのはアンダースピンキャストリールとか呼ばれるもの。基本的な構造はほとんど変わりませんが、スピニングロッドに取り付けできるので対応できるロッドが多いというメリットがありますよ。

ダイワ(Daiwa) アンダースピン80

ダイワのアンダースピン80です。現行モデルで購入できる唯一の日本メーカー製アンダースピンキャストリール、というとすごそうじゃないですか?
クラッチボタンを押す代わりにレバーを引くのがアンダースピンキャストリールです。時々引っ張り出して遊んでますが、嫌でもスローリトリーブになってしまうギア比の遅さに慣れるまで数回のキャストが必要です。アブを強く意識したと思われるカラーリングにやや抵抗はありますが面白いリールではありますよ。

ドラグはリアドラグタイプ。効きの方はお世辞にもスムーズとはいえませんが、役には立ちます。またやり取りの最中にレバーを握るとフルロック状態になります。強引に引っ張るときはこれも有効ですよ。ただし、すぐに巻きに移らないとずるずるとラインを持っていかれちゃうのでご注意を。
樹脂製ボディで大きさの割には軽量な250g。とはいえ軽くはありませんが。
¥3188(税込)

ダイワ(Daiwa) スピンキャスト80

スピンキャスト80はアブマチック170と同じくボタンを押し込んでキャストします。アブマチックSXとよく似た構造になってます。色合いはアブマチック170に近いんですけどね。
ハンドルも共回り式で左右の入れ替えが可能です。
¥3188(税込)

アブマチック170やスピンキャスト80にはやはりショートガングリップタイプのオフセットリールシートが似合います。ボタンも押しやすいですし。ところがそういったリールシートも今や少数派。

you be(ユービ) AccurateStick(アキュレートスティック) BF411-ASL-Rey-1

この形状ですね。こちらのロッドはかなり気合の入った高級ロッドではありますが、アブマチック170と合わせるのもありかもしれません。







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