ベイトリールの飛距離について、雑感を

あごひげあざらし

2014年05月31日 19:01


管理人のブログにワード検索でたどり着く方の中で、ベイトリールの飛距離関係の方も少なくありません。最近では「タトゥーラ 飛距離」とか「クロナークCI4 飛距離」とか「スコーピオン200 飛距離」、「ブレイゾン 飛距離」こんな感じの検索ワードでヒットされているようです。
確かにベイトリールの飛距離って気になりますよね。

管理人は正直なところ、ナチュラムさんのポイントを使用してリールを購入して使用してみることも多いですし(場合によってはすぐ手放しちゃいますけど)、友人のものをちょっとお借りして、とか、ショップ主催のイベントで触ってみたりと比較的新しいモデルに接触する機会は結構あります。
じゃあ、ベイトのキャストはうまいのか、といわれると万年2流(以下)アングラーといったところでしょうか。さすがにキャリアだけは長いので、最近では致命的なバックラッシュをすることも少なくなりました。でも目の前でボイルなんかされちゃった日には慌ててキャスト→バックラッシュなんてこともやってしまうレベルです。

そんな20年以上のキャリアを持つ2流(以下)アングラーにとって、最近のリールは恐ろしいくらい飛ぶよ、というのが本音ですね。その昔のTD1や不人気カナブン色のTDーS、最初のTDーZ、白いクイックファイヤーや赤いスコーピオン1500なども使ってきましたが、それらから比べれば今のベイトはしっかり飛ばすことができるものばかりですから。

で、個人的な考え方ですが、ベイトリールで大切なのは絶対的な飛距離じゃない、と。

あれ、元も子もない結論を早々に出しちゃいました。でも正直な感想です。

条件を限定すれば、現在もっとも飛距離を狙えるベイトリールはシマノの12アンタレスシリーズが最右翼でしょう。さすがシマノのフラッグシップだけありますね。1/2OZ(14g)クラスのルアーを結んでブレーキ調整もバッチリ決まっていればかなりの飛距離を出すことができます。ダイワのジリオンHLCもスプールの回転が軽くよく飛びますね。
でも釣りをしていてマックスの飛距離を狙う瞬間って、それほどないですよね。それよりも狙った場所(の近く)にルアーをデリバリーすることの方が大切。そういう意味では最近のモデルでいえば、ダイワのブレイゾン、タトゥーラ、シマノの14スコーピオンも十分な実用性を持ってます。クロナークはまだ触ってないのでわかりませんが、兄弟モデルといえる14スコーピオンの仕上がりから想像すると同等のレベル以上でしょう。

14スコーピオンは、ブレーキセッティングがうまく決まればオールラウンドに使用できるベイトリールです。管理人はせいぜい20m飛ばすことができれば十分な野池が主戦場。冬場で最深部を攻めたい時はヘビキャロなどで40mほど飛ばせれば問題ないんです。そういった使い方では飛距離に不満は出ません。それより、ダイヤルで微調整できるところが気に入ってます。ブレーキブロックをオンオフすることに比べると微調整の範囲ですが、これが使いやすい。ブロック2つオンにしてダイヤル調整、あとはサミングでなんとか対応できちゃいます。使用するのは10gクラスのルアーが多いですが、向かい風でなければこれだけで済ますことができますよ。

同様の使い方で、ブレイゾンは飛距離は劣ります。とはいえ、40m範囲内では問題なく使用できます。ブレーキが最初からちょっと強めに出てしまうのはダイワのマグ(固定ローター)特有の症状ですが、それでも1/4OZ(7g)クラスのルアーも十分キャスト可能です。さすがに空気抵抗の大きいロングビルミノーなどは飛ばないですけど。調整幅は14スコーピオンには及びませんから、あまり軽量なルアーには不向きですけど、逆に1OZクラスのルアーになればかえってキャストしやすいくらいですね。これでキャストできないルアーはスピニングにお任せ、ってことで使い分けます。

タトゥーラは触った程度なので、あまりはっきりは言えないですが、間違いなくブレイゾンより飛ばすことができます。特に最後の伸びは14スコーピオンと遜色ないですね。これは可変インダクトローターの恩恵なのか、TWSの恩恵なのかはわかりませんが。キャストしたルアーがTDバイブレーション106(10g)だったこともあってよく飛びました。キャスト初期のブレーキは14スコーピオンより強めになる感じですが、それ以外は遠心ブレーキか?と思うくらい。それでいてサミングもあまり気を使わなくて済むので使いやすいですね。絶対的な飛距離はスコーピオンとほぼ同じくらいでしょうか。

じゃあ、安いモデルも高いモデルも変わらないじゃん、とはならないのがリールの世界ですね。
飛距離だけに限れば実用上遜色なく使えますが、それ以外の部分では差がありますからね。一番違いを感じるのは「巻き心地」、回転フィールです。
14スコーピオン・タトゥーラ・ブレイゾン。感覚として巻き心地のいい順です。スコーピオンは滑らかなフィールです。以前少し使わせてもらった13メタニウムに比べるとやはり劣るとは思いますが、昔のリールに比べたら雲泥の差ですね。ハンドルのガタつきもなく、カッチリした印象ですね。ハイギアモデルでも回転の重さはほとんど感じません。6.3:1のブレイゾンと比べると重いことは重いですが、気になるレベルじゃないですね。
タトゥーラもカッチリした強度を感じるボディですが、ハンドルを回した感じが少しスカスカしてたような印象です。軽いといえば軽い(ギア比6.3:1)んですが、軽すぎて早巻きになってしまいそうな気がしますね。使い慣れれば気にならなくなるレベルなんでしょうね。
そしてブレイゾン。やはり低価格帯になるので、巻きのフィールはちょっとガタのあるような感じですね。ハンドルノブやハンドルではなく、スプールのブレのように感じます。組み付け精度の関係でしょうかね。ほんのわずかですが、14スコーピオンと比べてしまうと仕方ありません。これも直接比べなければ気にならないかもしれないんですけど。

ブレーキの調整幅・微調整の幅は14スコーピオンが優れてます。が、サイドプレートを開閉してブレーキブロックの調整をする手間は相変わらず。どちらかというとダイワのリールの方が多く使っている管理人にとっては面倒に感じますね。サイドプレートは軸を中心に回転するタイプですから、カバーが完全に取れてしまうものより扱いやすいですけど。スプールを落とさないように気を使う必要もあります。
タトゥーラ、ブレイゾンはダイヤルのみで調整します。これは使いやすいし楽です。調整幅はタトゥーラの方が広いですね。ブレーキ最弱でもブレイゾンはブレーキを引きずっている感覚がつきまといますから、0ポジションでもブレーキが強めに効いているわけです。タトゥーラの方がスプールの立ち上がりも早かったように感じます。ブレイゾンのブレーキはベイトリールに不慣れな人でもバックラッシュさせにくい特性といえますね。タトゥーラは気を抜くとやはりバックラッシュすることはありそうです。どちらにしても釣り場でも気軽に調整できるマグブレーキは初心者からベテランまで楽ができる、といえるかな。


まぁ、ウダウダ書きましたが、1万円台で購入できる14スコーピオン、タトゥーラあたりを購入しておけば実用上不満が出ることはほとんどないレベル、というのが管理人の持論です。もちろん上位モデルになればフィーリングや質感といった面も向上しますから、所有する満足感なども求めるなら上位モデルがおすすめです。ベアリングの数も多くなりますし、ギアの素材やコーティングが異なることもありますからね。耐久性の面でも上位モデルの方が優れていることが多いですよ。

最後は自分のニーズとお財布に相談する、これが管理人流タックルチョイスです。
そして最終的に飛距離を決めるのは、タックルバランスでしょう。ライン、ルアー、ロッドといった要素が加わって初めて飛距離を判断できるんじゃないでしょうか。アンバランスなタックルだとせっかくの性能も発揮できませんからね。極端な話、太いラインに軽量なルアー、そしてヘビーなロッドなんて組み合わせをしちゃえばどんな高性能リールでも飛距離は伸ばせません。低グレードでもバランスが取れていれば十分使えるわけですね。

偉そうに書きましたが、万年2流アングラーの戯言!とスルーしてくださっても結構です。かなり偏向してる人間ですから。

そんなわけで、現在管理人がこれはコスパの高いベイトリールだ、と思っているモデルをご紹介しておきましょう。


14 スコーピオン 200 右

14 スコーピオン 200HG 右

やっぱり14スコーピオン。実勢価格で2万円を切るベイトリールながら、よく飛びしっかり巻けます。またスプールは深溝で20lbクラスのナイロンラインもたっぷりストックできるのでパワーフィッシングにも対応できます。ソルト・フレッシュを問わないのでマルチにバーサタイルに使用できるベイトリールですね。非常にバランスのとれたスタンダードベイトだと思います。
気を抜けばもちろんバックラッシュすることはありますが、バックラッシュさせないようにキャストを練習すればいいんです。ベイトリールってそういうものだと思ってます。
まだ右ハンドルだけのラインナップですが、6月に左ハンドルの201、201HGが登場しますよ。



TATULA(タトゥーラ) 103H-TW

TATULA(タトゥーラ) 103SH-TW

TATULA(タトゥーラ) 103XH-TW

TATULA(タトゥーラ) 103HL-TW

TATULA(タトゥーラ) 103SHL-TW

TATULA(タトゥーラ) 103XHL-TW

絶対的な飛距離は14スコーピオンに及ばないまでも、誰が使ってもそれなりの飛距離を出すことのできるタトゥーラ。昔のマグブレーキしか経験のない方が使えば、マグも飛ぶようになったねぇ、と思うはず。特に最後のひと伸びがあるのは昔のマグでは考えられなかったですからね。
14lbクラスのナイロンラインが100mストックできる103スプールはバスフィッシングにピッタリ。もちろんソルトも対応しているから、ロックフィッシュなどでも使用できますね。輸出用タトゥーラ(北米仕様)の100スプール(深溝)を調達すれば、20lbクラスのナイロンもガッツリ巻けるようになります。
左右両ハンドルにハイギア、スーパーハイギア、エクストラハイギアと計6機種ラインナップでニーズにあったものがチョイスできますよ。こちらも実勢価格で2万円を大きく切ってます。
唯一に気なるところといえば、TWSの耐久性ですね。可動部が増えているということはその分トラブルの可能性を抱えているということですから。この辺は使い込んでみないとわからない部分ではあります。



BLAZON(ブレイゾン) 100H

BLAZON(ブレイゾン) 100SH

BLAZON(ブレイゾン) 100HL

BLAZON(ブレイゾン) 100SHL

ブレーキの味付けは昔ながらのマグブレーキ、という印象のブレイゾン。キャストの最後でお辞儀しちゃうのは懐かしさすら感じます。とはいうものの、野池のバスで使用するなら必要十分な距離のキャストが可能。届かなかったら自分で動けばいいんです。
実勢価格で1万円台前半とリーズナブルですが、実力的にはもうワンランク上に感じますね。アルミフレームとアルミサイドカバーでしっかりした感じ。道具として割り切って使用するならこれでもう十分かも。ナイロンライン16lbクラスを100mストックできるスプールは、ソルト・フレッシュでマルチに使用できます。低価格帯でもここまでできる、というベイトリールですよ。今となっては驚かないスーパーハイギアのギア比(7.1:1)ですが、あまり重さを感じることなく巻けるのは進歩の証かな。



14 クロナークCI4+ 150 右

14 クロナークCI4+ 150HG 右

14 クロナークCI4+ 151 左

14 クロナークCI4+ 151HG 左

実勢価格で25000~27000円くらいで売られている14クロナークCI4+。新素材を使用しているのでこのくらいになっちゃいますか。実質的には14スコーピオンの兄弟機といったところで、内部構造的にはほぼ共通ですね。14スコーピオンよりシャロースプールになっているのでその分スプールが軽く、飛距離は若干アップするでしょう。ラインストック量はブレイゾンとほぼ同じで16lbクラスのナイロンラインを100mストックできます。
使用しているロッドが最近の軽量なタイプならタックルバランスを取りやすい185gの軽量なモデルですね。
ハイギアモデルはスコーピオンより速い7.6:1となってます。


もちろん懐に余裕のある方や質感も求める方なら、さらに上のアンタレスやスティーズ、ジリオンHLC、丸型ならカルカッタコンクエストなどもいいですよね。さすがに性能・質感も価格に見合うものがあります。そういった高級機はあまり使ってこなかったので、管理人的にはどれを選べばいいかはわかりません。だって、どれも素晴らしいですから。



関連記事