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2008年06月29日

AR-Cスプールをちょっと考えてみた

シマノのスピニングリールに続々採用されている「AR-Cスプール」。これってどこが違うの?とお思いの人もいるんじゃないでしょうか?パッと見、何の変哲もないスプールにも見えますからね。
ところが、シマノではこのAR-Cスプールは、飛距離アップ・ライントラブルフリーをうたってます。ホント?
管理人が現在所有しているシマノのスピニングリールは、エルフ、ナスキー、05バイオマスター、08バイオマスター。ということで、ちょっと見比べてみましょう!
AR-Cスプールをちょっと考えてみたAR-Cスプールをちょっと考えてみた
左が08バイオマスター2500Sのスプールエッジです。そして右がナスキー2500Sのスプールエッジ。05バイオで写真を撮ろうと思ったんですが、ラインを巻き替えたばかりでエッジの形状が見にくいので、同じ形状のスプールエッジを持つナスキーの写真にしました。

見比べていただくとよく判ると思うんですが、まったくの別物ですよね、スプールエッジの形状。
ナスキーのエッジはスプールの糸巻き部分から垂直に立ち上がってます。立ち上がった先端がスプールのエッジですね。
じゃ、08バイオは?というと、糸巻き部分から垂直に立ち上がった後、ドラグノブ方向に傾斜が付き(逆テーパー)、スプールエッジは糸巻き部分からドラグノブ方向に寄せてあります。

08バイオのスプールはラインを巻けるのは垂直に立ち上がっている部分まで、となっています。その先の傾斜がついたところにはラインを巻きません。ここに、AR-Cスプールの秘密がある!!!ということで、管理人なりに検証・考察。はっきりいって、こういうこと、好きですから。。。。。。

リールからラインが放出されるとき、ラインはスプールエッジに接触しながら放出されていきます。ここがミソ!

ナスキーや05バイオ(従来型スプール)の場合。
ラインが放出されるとき、スプールエッジから遠いスプール下側のラインはエッジに対して90度に近い角度で接触していくので、エッジに接触する面積は小さくて済みます。ということで抵抗は最小限です。
ところが、スプールエッジギリギリの場所(スプール上側)のラインは出て行こうとするラインの方向を邪魔する形にエッジが立っています。出ていく方向をふさがれているので、エッジに擦るようにラインが出ます。すると抵抗も大きいということに。
抵抗が大きければ、キャスト時のエネルギーをロスすることになり、結果、飛距離を落としてしまいます。

08バイオマスター(AR-Cスプール)の場合
スプール下側のラインに関しては、従来型同様、接触面積が小さいので、接触抵抗は少ないです。
大きく違うのは、スプール上側のエッジギリギリの場所のラインです。ラインが出て行く方向に沿って傾斜が付けられている(逆テーパー)ので、ラインがエッジの上を滑るように出ていきます。
擦るように出ていくのに比べると、滑るように出ていくほうが圧倒的に抵抗が少なくなります。抵抗が少ない、ということはエネルギーロスも少ないので結果、飛距離が犠牲にならない、ということなんですね。

これがAR-Cスプールの飛距離アップの秘密でしょう。ほんの僅かな抵抗ではありますが、ラインがフリーになって出ていくスピニングリールの場合、この僅かな抵抗が飛距離に大きく影響してしまうんですね。

ライントラブルフリーというのは、この放出抵抗の少なさがもたらした副作用的なもの、と管理人は思ってます。放出抵抗が減ることで、スムーズにラインが出ていきます。変な引っかかりもありませんから、放出時のライン形状が崩れてガイドなどに引っかかったりすることもありません。

そして、以前のシマノリールで管理人が嫌いだった、スーパースローオシュレートというのも見直されました。これがライントラブルレスに大きく影響してると思います。
オシュレートとは、ハンドルの回転に連動してスプールが上下に動くことを言いますが、以前のシマノのモデルはこのスプールの上下の動きが遅かったんです。結果、密巻きになったわけで、これは飛距離を伸ばすには有効ですが一旦ラインテンションを緩めて巻いたりすると、ライントラブルに直結してしまうようなものでした。
ラインテンションを落とさないで常に使えるようなエキスパートなら十分恩恵にあずかれるんでしょうが、管理人のようなサンデーアングラーには使いにくいだけのものでしたね。使う人を選ぶリールという印象です。

現在のモデルでは、スーパースローの表示は徐々になくなり、クロスラップ(綾巻き)となってます。綾巻きは密巻きよりもオシュレートスピードを早くしないとできない巻き方ですから、言い換えればオシュレートスピードを変更しました、ということですね。
これでバックラッシュも起きにくくなります。

シマノのスピニングリールは、このAR-Cスプールとクロスラップで飛距離とライントラブルを防止している、ということだと思います。
もう少し突っ込んでみましょう。

シマノのスピニングのスプールはフラットテーパーといわれる角度の付いていない糸巻きです。ダイワはABS(アンチバックラッシュ)スプールと銘打ち、逆テーパーの糸巻きです。逆テーパーは、ラインがドバッ!と出てしまうバックラッシュ防止には「なるほど~!」と思ってしまうくらい納得のやり方です。ラインの束が出ていこうとするのを、逆テーパーのスプールが抑える、という形です。

ただ、これには欠点も。ラインが出て行こうとする力をスプールの逆テーパーが僅かとはいえ、邪魔しちゃいます。エネルギーロスを起こしているわけです。この辺が、シマノとの飛距離の差となるのかもしれません。ダイワのモデルは綾巻きが主流ですからね。シマノとの巻き方の差はないわけです(多少、違うけど)。

で、こちら、管理人の持っているレブロスのスプールエッジです。
AR-Cスプールをちょっと考えてみた
08バイオほど極端ではありませんが、スプールエッジに逆テーパー、かかってませんか?
実はこの形状のスプールエッジは昔からあった、らしいんです。村上晴彦サンが使ってる、と火がついた「オオモリ」リールにこの形状のスプールエッジがありましたからね。ただ、現在とは材質などの違いもあり、接触抵抗を増やしてしまったり、スプールの糸崩れがおきたりしてしまったようです。

これは、垂直に立った糸巻き部分がなく、下から上まで逆テーパーだったからじゃないか?と思います。レブロスには垂直になった糸巻きがあり、その先に逆テーパーエッジがついてます。テーパーの角度などは08バイオより緩いので、同じとはいえませんが、理屈的には同じ?
テーパーの角度が少ないので、AR-Cスプールほどの効果は期待できませんが、多少は抵抗を減らしているんじゃないかな、と思います。画像は撮ってませんが、カルディアKIXやインフィート月下美人も同じようなスプールエッジでした。

何が言いたいか、というと、ダイワもシマノも、独自のアプローチでスピニングを進化させている、ということですね。
ベイトリールはある程度、完成形になっていますが、スピニングはまだまだ進化の途中、ということですね。

AR-Cスプール搭載のスピニングは

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iconシマノ(SHIMANO)07’ ステラ 
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iconシマノ(SHIMANO)08’ツインパワー 
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iconシマノ(SHIMANO)08 バイオマスター
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iconシマノ(SHIMANO)セフィアBB
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iconシマノ(SHIMANO)アルテグラ アドバンス 
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iconシマノ(SHIMANO)07 ソアレ
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こんなところでしょうか。

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Posted by あごひげあざらし at 14:54 │フィッシング
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